GALLERY SIDE2移転後初個展!

古くからの友人でGALLERY SIDE2に勤める久瑠実さんからのご案内で、ギャラリー移転後の初個展に行ってきました。STEVEN PIPPINというアーティストのエキシビションですが、これが本当に面白い!
STEVEN PIPPINは、1960年生まれのイギリスのアーティスト。1999年には「Laundromat Locomotion」という作品で、ターナー賞にノミネート。その内容が、コインランドリーの洗濯機を巨大ピンホールカメラに仕立て上げ、それを横一列に並べて連続写真を撮影するというもの。現像液などを洗剤の代わりに投げ込み、ランドリーマシーンの中でフィルムを現像してしまうという驚愕のメカニズム。そして、やはりトリッキーだなと思うのは、そのランドリーをアーティストが馬に乗って走り抜けているところです。もちろん、馬がギャロップする姿を世界で初めて連写したエドワード・マイブリッジを意識しているのでしょう。
今回GALLERY SIDE2で展示しているものは、それに劣らぬ驚きの内容です。フィルムカメラに向けた本物の銃を発砲させ、その弾丸がカメラに貫通する瞬間にシャッターが切られるというメカニズム。自分が「撃たれる」瞬間を撮影できるよう、カメラは鏡合わせの中に置かれています。説明を受けながら、一瞬唖然。まさか、こんな種類の快楽がこの世にあるなんて…。
展示では、そのようにして撮られた写真作品と、そしてその装置のインスタレーションを見る事ができます。
現像された写真は、飛沫する無数の傷や貫通の跡を伴う、何とも言えない生々しい色合いを残しながら、ぼんやりとトリガーを引く手の輪郭を映していたりして。これがまた悔しいことに(?)、製作背景の話を聞けば聞く程に、とてもセクシーな写真に見えてきます。
ギャラリー自体は移転したばかりということで、初々しい空気感を漂わせつつも、やはりさすがと思わせる空間。以前は酒屋というその空間は、今やとてもさっぱりとしながらも、昔の気配が活かされているような気がします。部屋の奥の扉の向こうには、外の空気に繋がるプロジェクションスペース。その扉には洋酒の銘柄が殴り書きされているのですが、そんな細かな痕跡が意外に心に残りました。
(文/記録:松岡大)
GALLERY SIDE2
STEVEN PIPPIN “End of Photography-「写真の終焉」”
1/27まで開催
11:00-19:00
LANDは、ユニークな空間にフォーカスしたイベントを継続しています。
LANDの活動履歴

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